2015年のアイドル業界は良くも悪くもメジャーとインディーズがはっきり別れた年でした。
2014年まではインディーズや地方で力を蓄えてから、メジャーシーンに殴りこむ、みたいなスキームが出来あがりそうな予感がしてたんですが、どうやら幻だったようです。
力がある事務所がより拡大し、力がない事務所はギリギリの体力のまま、少数のファンを抱えて地下で頑張ってる。そんなイメージです。ピケティもびっくりの格差理論そのままです。
アイドルという職業は性質上、誰でも名乗れてしまうため、猫も杓子もアイドルと言ってしまい、シーン全体の質を下げました。
アイドルに対する免疫がない人は、自分だけの可愛いお気に入りの子を見つけると、それをアイドルだと認識してお金をつぎ込んでしまうため、小さい事務所でもギリギリなんとかなっているようです。可愛い子を見つけるだけだったら、普通に合コンで可愛い子見つけて付き合ったほうがいいと思うんですけどね。
ただ、アイドルって本来そういうものではないでしょう。
アイドルは歌って踊れて可愛くてなんぼなんです。
AKBやももクロが「未熟でもファンとともに成長する」というスタンスで成功したため、多くの人が勘違いしているようですが、AKBが成功したのは固定劇場での毎日公演と大量メンバーによる接触ビジネスの最大効率化だし、ももクロが成功したのは、元々大手事務所に所属していて、基礎のレッスンをきっちり受けているからです。決して未熟でも名乗ればアイドルではありません。
2016年は、ますます地下アイドルとメジャーの力の差が開いていくでしょう。
可愛くもなく、実力もない女の子が、周りから可愛い可愛いと言われて勘違いしていくこの現状は、純粋にアイドルを楽しみたい自分からすれば全く持って悪です。
「こんなレベルでもアイドルになれるんだ」と世間から思われて一番ダメージがでかいのは、何を隠そうアイドル業界そのものです。
もちろんすべての地下アイドルのレベルが低いという気は毛頭ありませんが、地下アイドルの現場はパフォーマンスにムラがありすぎて、常に高い満足得られるわけもなく、時間的金銭的リソースを考えると優先順位を下げざるを得ません。
その点メジャーなアイドル現場は、ある程度一定のクオリティが担保されています。
基本的にいつ行っても、同じレベルのサービスが受けられることは、自分みたいな「応援せずに、ただ鑑賞するタイプ」のオタクにとって重要です。
出演するアイドルのステージや、握手会の対応にムラがあると、こちらも応援に対するモチベーションをコントロールしにくいからです。
「応援せずに、ただ鑑賞するタイプ」と書きましたが、これはアイドルの成長の物語に欠かせない、アイドルとファンの関係性を放棄することです。オリコン1位にしようとか、紅白に出場させるべくライブ参戦やグッズ購入を頑張るヲタクは、自分にできないことをやっているのですごいなと思うのですが、自分はあくまで鑑賞者としてアイドルを見ていたいです。