秋元さんの書くAKBの歌詞って、どこまでもミソジニー感がにじみ出てるというか、この時代には全くそぐわない「女は男に媚びろ」感を徹底的に歌詞に反映させている。
これが世間の反感を買う原因ではあるのだけど、だからこそコアなファンが生まれる。
誰かの心にさざ波をたてないと、芸術とは言えない。毒にも薬にもならないような歌や映画は好きではない。
大声ダイヤモンドという歌に「恥ずかしくなんてないんだ 好きって言葉は最高さ」という詞が最後の方に出てきます。
この歌詞をライブで聞いてる時、ファンの心の中で何が起こっているか。
それは、ステージで踊る推しメンに対する圧倒的な肯定。
自分の「好き」をどこまでも肯定させてくれるのですよ、秋元さんは。
このスキームはホントに秀逸だと思います。
おっさんがアイドルを好きでいるためには、周りから揶揄されることもありますし、なかなかしんどいのです。
だけどお金を払えば、それを肯定してくれる。お布施と一緒、宗教と同じなんですよね。
話は変わりますが、過去の秋元ワークスですごいなと思った曲を2曲紹介します。
伊武雅刀「子どもたちを責めないで」
この曲はサミー・デイヴィス・ジュニアの「Don't Blame the Children」という曲のパロディです。原曲は「子どもたちが道を外してしまうのは我々大人に原因があるんじゃないか?」という反省の曲なのに対し、この秋元さんの詞ではひたすら「子どもが嫌いだ」と嘆いている。
まず少女が大好きな秋元さんがこの詞を書いてることが面白い。
そんでもってこの曲の「子ども」の部分をすべて「大人」に置き換えると、秋元さんが何を言わんとしてるかが分かると思います。
実はこの曲、大人はひたすらしょうもないということを歌っているのです。秋元さんの逆説的な表現が最高にハマった一曲です。
あと伊武雅刀のパフォーマンスも最高すぎる。
片岡鶴太郎「ゴーストブスターズ」
こちらも完全にネタなんだけど、ゴーストバスターズのパロディで、ゴーストブスターズ。そのまんまブスは消えろって歌。
アイドル稼業を営んでいる秋元さんが書く詩だからこそ面白い。