今年のTIFには行ってないんですが、今年もサイリウム遠投とか、BONDZとか色々あったようです。
エビ中のイェッタイガー禁止令に背を向けてTIFが時代を味方に「沸ける」に舵を切ったからこその大量のサイリウムがスマイルガーデンの空を舞うベビレとベルハーとBONDSという風景なのだろうし、山邊がステージからリフトを注意してたあのころが既に牧歌的に過ぎるなんてあまりに流れが速い
— aerodynamik // (@aerodynamik_tw) 2016年8月7日
TIF2日目を観た印象として、アイドルフェスにおける価値観が圧倒的に変化した、一番でかい評価軸が「沸ける/沸けない」になった。夜のスマイルに美しい涼風を届けたNegicco/ドロシー/RYUTistを出すような趣きは無くなり、この時間以降はツインテール協会とかピンチケ沸き系固め。
— aerodynamik // (@aerodynamik_tw) 2016年8月6日
アイドルライブの評価軸が「沸ける/沸けない」しか無いから、そりゃこういう大きいイベントではBONS大活躍になるしか無い。伝説のRYUTistをガンダム前12分ワンステージのみにしたのも意図も理解できるし、全体的にパワーポップ的なロックばかりで女子流もEspeciaも居場所は無い
— aerodynamik // (@aerodynamik_tw) 2016年8月6日
沸けるアイドルばかりになった時、数年後のアイドルシーンがどうなっているのか興味があります。
アイドル現場はオモシロ選手権の会場になりがちですが、騒ぎたい人はその瞬間を楽しみたいだけなので、対象が必ずしもアイドルである必要はありません。
「沸ける」と「騒げる」の違いとは?
アイドル現場ではよく「沸く」という言葉を使いますが、正直言葉の定義は人によって異なるのではないでしょうか。
言語化することは難しいですが「沸ける」とは心の底から高まって、体外に発露される時の行為だと思っています。(一番わかり易い例はMIX)
一方で「騒ぐ」の意味を辞書で引いてみると、どちらかというネガティブな意味として用いられる言葉です。(暴動、血が騒ぐ、胸騒ぎなど)
もちろん「騒いで楽しみたい」という考えの人がいるのは自然であり、そういう人たちにも楽しむ権利はあります。
今回のTIFに限らず、アイドル現場がよく混乱するのは「お祭りを騒いで楽しみたい人たち」と、「アイドルのステージを見て沸きたい人たち」が一緒になってしまっていること。また両者が外部から一緒くたされていることも、当事者たちのストレスになっているからだと考えます。
沸ける=良いアイドルではない
今「沸ける」と言われているアイドルは、「騒ぐ」こと自体を目的化して運営されているグループが多い気がします。目的と手段が逆。
良いパフォーマンス、良いアイドルだから「沸ける」のであって、沸けるから良いアイドルではないということです。
ここらへんがオタク・アイドル・運営の中でも線引がされておらず、同じ意味として用いられており、混乱の原因になっています。
Stereo Tokyoなどは明確に「騒ぐ」ことを目的に運営されているので、あまり嫌な感じがしません。
「沸く」と「騒ぐ」を混同してステージを作ると、割りと古いヲタクから嫌悪感を抱かれるようです。
騒げるアイドルがいてもいいと思いますが、長く持つ気がしません。
アイドルのセカンドキャリア問題
「騒ぐ」ことを目的にステージを作っている運営は、アイドルを卒業したあとのことを考えているのか疑問です。
卒業するまでに話題になってグループが売れればOKという考えは理解できますが、少し無責任ではないでしょうか。騒げるステージを作ることが彼女たちのキャリアにプラスになるとはあまり思えません。
「アイドルをやってる時は支えるけど、卒業後は知りません」では、それが自己責任であったとしても、あまりにアイドル側の負担が重い。
未成年で職業を選択し、何もわからないまま社会に出ることは、結婚して奥さんになることが最善の選択になってしまいがちです。
握手会に出て金を稼ぐのは運営の都合であって、彼女たちのためではありません。
短期で利益を出さなければならないことは理解できますが、歌やダンス、演技のレッスンをしっかり積ませることで、彼女たちは将来の選択肢が増えます。
ハロプロ現場は沸けませんが、レッスンをしっかりやってることが分かるので信用しています。ハロプロに派手さはありませんが、一部ファンから信頼されているのは結局そこなんじゃないかと思います。
アイドル運営は、もう少し長いスパンで彼女たちのキャリアを考えていただければと思います。