Modern Age Idol

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人生で1回は行ったほうがいいらしい、山下達郎のライブに初めて行った話(7/17)

人生で一回は行った方がいいと言われる山下達郎のライブに行ってきました@NHKホール

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客層は40代50代がメインだと思いますが30代と思しき人もちらほら。20代はあまり見なかった。

 

当方、山下達郎に関する知識はほとんどなく、ただ母親がよく家で流してたのがうっすら記憶がある。当時は「ねっとりした声で歌うおっさん」くらいの印象しかなかったですが、中学生のときはサンデーソングブックをよく聴いてました。田舎だったので聴けるラジオ局が限られてて、別に好きな曲をかけてくれてたわけじゃないけど、まだ洋楽情報を入手するのがそこまで容易ではなかった時代です。20年前の話です。

 

キャンセル待ちで取ったので3階の最後方、最下手角席。逆にレアw

 

このツアー、本当は前週の中野サンプラザが初日だったはずでしたが、本人の気管支炎により、中野2公演が中止に。この日も開催が危ぶまれてましたが無事開催されました。

 

ほぼオンタイムの1830にスタート。一曲目はアルバムCOZYのオープニング「氷のマニキュア」からスタート。

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山下達郎が音職人というのは知っていたのですが、開始数秒でそのヤバさが伝わる。巨大なホールで、なおかつ自分の座ってた3階最後方だと音は若干遅れて伝わってくるので反響してこもった音になるはずですが、それが全くない。しかも鳴ってる音はキャパ300くらいのライブハウスで聞くようなライブ感があって、かつ音の質感が、古いけどよいスピーカーで聴いてるような感覚。この感覚は初めて味わった。

  

本人の声は、一言で言うとマジでヤバすぎた。普通CDの方が音のブレがなく綺麗に聞こえるはずですが、山下達郎の場合、生声の方が100倍よい。これが先週気管支をやった人の声なのかと驚くばかり。本人も今まで病気でライブを中止したことはなく今回が初めてとのこと。

しかもここ10年でもっとも声の調子がよいのが、66歳の今だとおっしゃってました。未だに上り調子はプロすぎ。若いときは喉が枯れるという感覚すら理解できなかったと言っていたので、歌手は歌上手いかどうかの前に喉が強いかどうかが大事だということがよくわかるエピソード。多分なんですが、ライブ中ほとんど水飲んでなくて化け物かと思いました。

 

あとめちゃくちゃMCがうまいんです。20年越えのラジオをやってるというのもありますが、ご本人も落語好きみたいで、本当に落語を聞いてるみたいでした。適度に毒舌を混ぜつつ、ユーモアがある。

 

んでギターもうますぎ。カッティングマジヤバい。

 

ご本人的にはライブをやるのはNHKホール(3700人)のキャパがマックスだとおっしゃってました。武道館とかドームでやった方が経済効率は上がるけど、一度に客を納得させられる限界が3000人くらいだと。ライブ終わったあと、それはめちゃくちゃ思いました。ライブの説得力、納得感がやばすぎました。うなずきまくった。あと「ディナーショーとか酒飲んでる人の前では歌いたくない」と言ってて笑った。

 

MC。最近はミュージシャン鬼籍に入る人が増えたと言う話。その中でも大瀧詠一さんは今年7回忌。大瀧さんは5歳年上の先輩で、山下さんがシュガーベイブ時代コーラスで参加したの初めての公の仕事だったそうです。ある日大瀧さん含め何人かでカラオケ行った時に、「この曲お前にやるよ」って言われたのが「君は天然色」だそうです。

 

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そのことをずっと忘れてたけど最近知人を通してその話を思い出したそう。大瀧詠一は好きだけど、大瀧ファン(通称ナイアガラ)は嫌いだったそうで、頑なにやらなかったけど、7回忌を迎えて頑なになるのをやめた、と言って演奏を始めた「君は天然色」がかっこよすぎて今日イチの鳥肌モンでした。エピソードもエモいし、日本で大瀧詠一を歌えるのは俺だけと断言してた山下達郎かっこよすぎ。

 

2020年はオリンピックイヤーで宿泊施設とかが取りにくいことと、昨今のレコーディング環境の勉強をしたいから来年はツアーをお休みするそうです。今後五年の録音演奏の変化を見越した上で勉強する年にするそうです。

 

また昨今の音楽環境の変化にも言及し、CDが売れなくなるのは分かるけどspotifyみたいなサブスクは人の褌で相撲を取っているようでイマイチ納得がいかない。JASRAC音楽教室に潜入するのは卑怯、堂々とやれとも言ってました。

 

あと最近日本の70年80年シティポップが流行ってることにも言及。

シティポップがなぜ世界中でブレイクしているのか? | nippon.com

今なぜ海外で「シティ・ポップ」が大人気なのか? 火付け役に聞く(柴 那典) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)

ほんとかよと思いつつレコード屋行ったら30歳のアメリカ人がGO AHEADのアナログレコードにサインをくれと。なんでお前そんなの知ってるんだと聞いたらネットで知ったと。41年前に3万6000枚しか売れてないCDを買いに日本に来るなんて変な気分といいつつ、「そのアメリカ人が今年ツアーに参加するかもしれないから、この曲絶対やってくれといった曲をやります。どの会場に来るか知らないけど」といってBOMBERを披露。

 

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あと竹内まりやさんのプラスティックラブもカバー。こちらはYouTubeで2500万再生されてる最近もっとも海外で流行ってる日本の曲です。

 

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アンコールではハイティーンブギや硝子の少年のセルフカバー。

最後はライドオンタイム、DownTown(シュガー・ベイブ)で終了。

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3時間半近くライブでしたが、曲をほとんど知らなくて最後方なのに、あっという間に終わった。すごすぎる。これがプロの仕事か。

山下さんはライブ全体を通して、「最近は世の中がギスギスしてる。それはSNSのせいかもしれない。音楽だけは寛容でありたい」と言っていたのが印象的でした。人間は本当にSNSで不幸になってると思います。SNSとの付き合い方を考えたほうがいい。

 

最後の挨拶では「健康に気をつけてかっこよく歳をとりましょう」とおっしゃってましたが、あんなカッコいい66歳を見せられてたら否が応でも自分も頑張らなきゃなと思いました。

結論、人生で1回は行ったほうがいいライブでした。

 

あとからこの人のブログ読み直したけど、ほぼ同じ感想だ。逆に全く知らない人たちが異なるライブで同じ感想を持ってることがすごい。客に同じ共通認識を作り出してることこそ、アーティストのブランドであり価値だから。

山下達郎のコンサートだけは死ぬまでに絶対行ったほうがいい。|タクヤコロク(ナンバーナイン編集長)|note