Modern Age Idol

アイドルオタクがアイドル業界について解説します

欲望は他者によって発見される

ネット上では都青少年健全育成条例改正案について議論なんだか、つぶやきなんだかが多く交わされています。出版社や漫画家、アーティスト、石原都知事、マツコデラックスなんかも巻き込んで大賑わいです。
 この条例について詳しくはないのだけれど、僕なりにまとめてみたいと思います。

 まず、この条例は名前の通り青少年の"健全な"育成が目的です。そしてなにが問題になっているかと言うと、この条例の規制対象が【漫画】と【ゲーム】に限定されているからです。確かにエロ本やAVはOKで、エロ漫画とエロゲは販売規制というのは、ちょっとおかしいです。

 
都の意見>>”未成年を売り物にした猥褻で過激な表現、著書”を未成年に”販売”するのを規制する条例で、表現の規制には当たらない

漫画家さんたちの意見>>表現の自由という権利が憲法の記載されている、それを規制するのは違憲ではないか?

と、たぶんこんな図式。

 ここからは個人的見解。

 都の意見としては(完全にPTAに押された形だろうけど)、子供をレイプする表現がある著作物は、青少年に有害であるからして、有害図書に指定する、というわけだろう。
 一方漫画家さんたちの意見は、単純に食い扶持に困るというのが理由で、表現の自由は法律で認められているから、タブーを書いても別にいいはずだ、という意見はあとづけの大義名分だと思う。ただこれも当然の主張です。人間は自由を勝ち取るために戦わなければならない。

 つまりどちらも間違ったことは言っていない。

そうなってくると、判断の基準は【青少年が有害なものに触れて、それが実際に人体に悪影響を及ぼすのかどうか】ということに収斂されるだろう。

 法務省犯罪白書のデータみると、これはよく言われることだけど、少年犯罪っていうのは減少傾向にある。確かに子供の数も減ってはいるが、人口比率で計算しても4分の1くらいにまで落ち込んでいる。
 幼女に対する暴行、強姦に関しては、1960年には4649人検挙されているが、2006年の時点で検挙されたのは109人である。
 もちろん1960年には青少年育成条例なんてものは存在しないので、過激な性描写が増えたから、レイプが増えた、という短絡的なモノの見方は、多少の差はあれど、おおよそ相関関係にない。マスコミのウソだ。

 何をもって有害となるのか、よく考えてほしい。

 まあ、なんというかこのネットインフラの整った時代に、何かを秘匿するというのは非常にナンセンスだと思う。そしてAVを規制していない矛盾に対して、大きな声の指摘を聞かないのも、やっぱどっかの権益団体が裏でコソコソやってる感が否めない。
そもそも欲望とは自分の中にすでにあるものではなく、他者によって発見されるものだと思う。そして、そういうイケナイ欲望がすでに発見されている以上、今さら隠しても無意味だと俺は思う。

 子供に隠したところで、いずれバレるし、そういう願望が現実に存在している以上、消滅するわけではない。親は子供の目に触れさせないようにしたいわけだが、親の性教育って、そんなに自分の子供に対して影響力ないのか?

 ロリコン趣味を正当化する奴はアホだと思うが、人間のエロスを規制するやつも同じくらいアホだ。人間は変態だ。エッチという意味ではなく、タブーなことをしたがる生き物だ。それはおそらく人間というよりは、遺伝子の本能だ。
 人間は遺伝子の乗り物で、遺伝子が何億年と生き延びるための、使い捨ての肉塊である。生存本能は生き延びるためなら、どんな環境になっても適用しようとする。自分のデザインを変えても、だ。なぜならそれが遺伝子のコンセンサスだからだ。
 だからといってレイプが許容されるものではない。しかしそれでも表現者はひたすら表現しなければならないだろう。俺は歴史的に価値のある作品は、基本的に欲望の塊だと思うよ。